この記事では、IMFによる経済予測と、2020年はコロナ感染拡大のため特に予測が難しかったというお話しをします。
国際通貨基金 IMF では、現在の経済の状況に基づいて、1年先くらいの経済についての予測を立てています。
通常、 年に2回、World Economic Outlook(世界経済見通し)本格的なレポートと共に予測を発表し、 3ヶ月ごとにはアップデートを出します。
ちょうど今月に出されたIMF経済見通しについて、先日のFacebookライブでお話ししましたので、ご興味あればこちらのグループに参加して録画をご視聴ください。
https://yokoshinagawa.com/l/u/Facebook
経済予測というのは、実は多くの人の役に立ちます。
例えば、政府が毎年度の予算を立てるとき、税収は経済の良し悪しに大きく左右されるので、予測値と共に税収の見込みを立て、それに基づいて支出計画を立てます。
金融市場マーケット参加者や投資家にとっても、経済の先行きがマーケットに大きく影響することから、常に経済の現状や先行きを示すデータを注意深く見ています。
IMFが出す世界経済見通しは、世界で最も信頼される経済予測であると言っても過言ではなく、常に注目されています。
IMFの予測は、通常は大きく外れることはないのですが、大きな危機の直前には(2008年のリーマンショックがあった年は、今年のコロナによる世界的不況)、予測は大きく外れてしまいます。なぜかと言いますと、そういった予見が非常に難しい外生的なショックは通常、予測関数に入っていないからです。
特に今年は、人類が今まで経験したことのないようなタイプの経済への大打撃だったので、予測は特に苦戦してしまいました。
まず、今年4月に IMFが出した予測は、コロナによる経済への悪影響をやや甘く見てしまい、実際には、IMFの見通しよりも世界経済は悪化してしまいました。
次に、6月にアップデートを出して予測を下方修正し、4月の予測よりも経済はもっと落ち込むとしました。しかし、その後、ロックダウン後のヨーロッパなどでは IMF が見込んだよりも経済活動が活発になり、IMFが予測したよりも経済は好調になりました。
そして、 現在、10月になって欧州などではコロナ感染が更に悪化し、ロックダウンする国もでてきました。ですので、今後の経済がどうなるのかは、一層不確実になってしまいました。
コロナ渦の経済はこれからどうなるのでしょうか。まだまだ注目が続きます。