経済を学ぶことがあなたの人生に役立つ3つの理由

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「経済」と聞いて、あなたはどんなイメージを持ちますか。おそらく、大半の方は、「経済とはお金の流れのことで、時々ニュースになっているけどよく解らない用語が多くて敬遠しがち」といった感想をお持ちではないでしょうか。私も大学卒業後に本格的に経済を学ぶ前は、そういったイメージを持っていました。

その後経済学を勉強したり経済の分野で働いてみて、私は今では、経済を知ることによって日常生活や人生に役立つことはとても多いと思っています。一つ目は、世の中の仕組みがより良く理解できるようになり情報リテラシーも高まり、ひいては人生の可能性も広がることです。二つ目は、事実を知ることで、漠然とした不安や恐れから解放され、安心して暮らせるようになるということです。三つ目は、自分の持つ時間やお金や労力といった限られた資源を使って自分の幸せや満足度を高めるための、より良い選択ができるようになるということです。

  1. 情報リテラシーが高まり人生の可能性も広がる

    経済についてのニュースは経済の知識がある程度あることを前提に書かれていますので、経済学を少しでも勉強するとニュースから得る情報をよりついてどのように考えるべきかということがクリアになり、より良く理解し主体的に考えられるようになります。情報リテラシーが格段にアップします。残念ながら、現在、信憑性が疑わしかったりミスリーディングな情報が流れることがあります。ひどい場合にはフェイクニュースと呼ばれる誤った情報を含むものもあります。経済の考え方を学ぶことによって、こういった情報にも惑わされにくくなるかと思います。

    経済学を学んで役に立つもう一つのことは、世の中の仕組みがわかるようになり情報に強くなると、人生がもっと面白くなり可能性も広がる、ということです。

    私が経済を勉強し始めたころ、日本は1990年後半の不況の真っただ中でした。それで、経済についてのニュースを見ても、世の中で起こっていることをよく理解できずに不安が増すばかりでした。

    それで、日経新聞という日本で最大級の経済新聞の記事を、背伸びして読んでみようと思いました。でも、理解できず、経済学の教科書と首っ引きになって考えながら一つの短い記事を何時間もかけて読んだりしていました。何時間もかかったのは、私が経済をよく理解していなかったからです。その後、経済学を勉強し、経済の記事はすっと頭に入り深く理解できるようになりましたし、間違った情報を含んでいる記事を、これはおかしいと判るようになりました。

  2. 事実を知ることで、不安が消え安心できる

    世の中の事実を知り理解すると、漠然とした不安にかられることがなく、安心出来るようになります。私たちは、恐れとか不安感というものを本能的に持っているので、よくわからないことについては不安や恐怖を抱くものです。そこで、事実を客観的に知ることで、そういった不安感や恐れの多くを取り除くことができます。

    私は、「日本の経済はどうなるのか心配だ」、「日本ではなく他の国に移住するなりして活路を見いだすべきか」、「日本は借金を抱えて破綻するのではないか」といった質問をいただくことがあります。色々聞いてみると、多くの場合、そういった質問を投げかける背景には、不安や恐れ、ネガティブなニュースに対する反応、といったことがあります。経済をより良く知り客観的な事実を知ることで、そういった不安や恐れも相当少なくなってくると思います。

    私自身も、そういった不安や恐れを常に抱いていた時期がありました。私は6年前にアメリカで第一子を主産し勤務先を退職した後、泣いてばかりの新生児の世話をし、サポートしてくれる人もいなかったためワンオペ育児の子供中心の生活となりました。働いていた頃に日常的に接していたニュースや情報を読む時間も無く、経済はもちろん世の中の情勢やすう勢から遠ざかっていました。当時の私の最大の関心事は、子供が毎日健やかに育ち良くミルクを飲むといったことで、子供が少しでも体調が悪いと、世の中の全てのことがどうでも良いような気持ちになりました。

    それでどうなったかといいますと、私は社会への漠然とした不安感が募るようになりました。世の中は悪い方向に向かっているのか、と考えるようになりました。特にテレビなどの大メディアにはネガティブなニュースを大々的に報道することが多く、そういったニュースに接して世の中が悪くなっているのではないかと1人で不安に駆られるようになりました。子供が少しずつ大きくなり自分自身の時間や自己実現に時間を持てるようになって、かつて私がやっていたように世の中のニュースについてきちんと理解し吸収できるようになった時、事実をきちんと理解することで、あまり不安にも感じないようになりました。

    ちなみに、私が子育ての最も大変だった時期を乗り越えてた後、ある程度普通の生活に戻れるようになったときには、子育てをする前よりも頭が冴えて、理解力も格段に向上し、色々なことを多角的に見て深く考えられるようになっていました。当時を振り返って、当時の自分に言いたいことは、「いずれはさらにパワーアップして自分の人生を追求し自己実現できるチャンスが巡ってくるので、不安になる必要はない。今できることを楽しみながらやろう。」ということです。もし、これを読んでおられる方で当時の私と似たような悩みをお持ちの方がいたら、同じことをお伝えしたいです。

  3. 時間やお金といった制約のなかで自分の幸せや満足度を高められる

    自分の持つ時間やお金や労力といった限られた資源を使って自分の幸せや満足度を高めるための、より良い選択ができるようになるということです。

    経済学は、限られた資源(お金、時間、労力)をどのように使って、個々人が幸せや満足の度合いを少しでも高めるか、ということを長い間追求してきました。この経済学の考え方は、私たちが日常生活で使えることがとても多いです。

    私たちは、日々、何をするかを選択しています。小さな選択も含めると、30000以上の選択をしていると言われています。正しい情報を持つことは、私たちが日常生活や人生の節目で何をするか、あるいは何をしないかについて選ぶとき、より良い選択を行うことができます。例えば、今、あなたの貴重な時間やエネルギーを使って何をするか、何を買うか、どういった仕事をするか、という選択をするときに、よりよい判断ができる可能性が高まります。結果的に、人生が面白くなり、あなたが何をするか、どういった人になるかという可能性がずっと広がります。

    多くの女性が直面している、育児と家事と仕事の両立という問題があります。限られた時間やお金や体力・気力を、どこにどれだけ使って、自分自身も、自分の家族や子供達も、より幸せで満足のゆく状態にするか、ということを考えるときに、経済学の最適化の発想が役に立ちます。

    例えば、私は6歳児と3歳児を育てていて、自分自身や家族の幸せを追求しつつ、自分の仕事や自己実現にどのようにどれだけの時間を費やすかということを、日々考えて自分の行動を選択しています。こういった日々の選択をするのに、経済学の発想が役立ちます。私の限られた時間のなかで、どういった子供との関わり方が費用対効果(コストベネフィット)が最も高いのか、ということも考えます。何をすれば子供の発達を促しポテンシャルを発揮するのを助けられるか、そのためにはどういった情報が必要かということに日々悩んでもいます。そのなかで、私は何に価値観を置き何を優先させ、その結果がどういうものなのかを考えながら、行動します。

    私の母は20年間専業主婦で、料理を完ぺきにこなし、いつも笑顔で4人の子供と接して私たちきょうだいの成長に決定的な役割を担ってくれましたが、他方、母が自分自身の自己実現やキャリアを追求することは出来ませんでした。私は母と同じようにはできません。それでも、私の費やせる時間や労力を使って、私の自己実現も追求しつつ、母が私にしてくれたことと同じだけの効果のあることを自分の子供たちにしたやりたいと思っています。

このように、経済を学ぶことは、日常生活や人生の色々な面で役に立ちます。今後このブログやメールマガジンで、そういったお話しをもっとしてゆきたいです。

Photo by Sarah Dorweiler on Unsplash