今でも!女性の真の活躍のためにまだまだ必要な努力とは

森喜朗元首相が、「女性は話が長い」という趣旨の女性蔑視発言が問題になり、東京オリンピック組織委員会の会長を辞任したニュースは、世界中に流されました。

森喜朗さんは、私が財務省に入省した時の首相でした。それで、財務省を含む全ての省庁のキャリア官僚として入省・入庁した人を対象とした式典で、森喜朗さんが訓示のスピーチをしに来ました。

森さんは首相になる前からも首相在任中も、不適切発言が多いことで知られていました。そして、その入省式の訓示のスピーチの内容も、ほとんどがアブアドリブだったらしく、非常に残念なものでした。 それを聞いて官僚として働くモチベーションを上げらるようなものでは全く無く、ほぼ全員が落胆したと思います。

女性の声は、実はまだまだ届いていない

ところで、森さんが言われたように、会議の場で女性の話は本当に長いのでしょうか。

私が数多くの日本国内外の会議に出た経験では、実際にはその逆で、 女性は何かと遠慮したり、また、自分の意見をはっきりと言わないことの方が多いと考えています。男性の方が、自説を長々と堂々と、他の人の話を遮ってまで話す人が多いという印象です。

女性のためのアサーティブ・コミュニケーション

私は ワシントンDCの国際通貨基金(IMF)で働いていた時、 「女性のためのアサーティブ・コミュニケーション講座」という有名な講座を取りました。この講座は、IMFでキャリアを積む女性のための登竜門のようなもので、幹部職に出世した女性が若かりし頃に必ず取っていたような講座でした。

そのアサーティブ・コミュニケーション講座の講師によると、「女性は会議の場で堂々と発言せず、発言を抑える傾向にある。また、 遠慮がちでリスクヘッジをするような言葉遣いをするので、それは止めなさいと強く言われました。遠慮がちでリスクヘッジするような言葉遣いとは、例えば、「私は、こうだと思います( “I think …”, “I just thought …”, “It might be…”) 」などです。

そういったヘッジするような曖昧な表現ではなく、「こうである」ときっぱりとアサーティブに言うことを推奨されました。ちなみに、その講座で「お手本とすべき」話し方の代表例とされたのは、ヒラリークリントン元国務長官でした。

女性の声がより一層社会の意思決定に反映されるには、自分の発言を会議の場でキッパリというという、こういった地道な努力が今でもまだ必要なのです。