第2子(末っ子)のポテンシャルを開花させるために

こちらの記事では、第一子として生まれた子供が通常享受するメリット、直面するチャレンジ、そして、人格形成に与える影響について書きました。

この記事では、第2子(あるいは末っ子)として生まれた子供について書きます。

第2子や末っ子として生まれることのメリット

まず、 第2子として生まれてくることのメリットはどのようなものでしょうか。 それは生まれてすぐに最愛の兄や姉がいて、きょうだいで一緒に遊んだり幸せな時間を過ごせて、兄や姉が色々な意味でお手本になってくれるということがあります。また、親はすでに第一子を育てた経験があるので、親として成熟していて、子供への関わりが上手になっていることもあります。

第二子や末っ子が直面するチャレンジ

他方、第二子が直面するするチャレンジとしては、自分よりはるかに多くのことができる姉や兄への劣等感を持ってしまうこと、親の愛を巡って嫉妬するということ、などがあります。第2子がまだ幼い時には、自分の状況をよく理解できず、感情を言葉に表すこともできません。

例えば、姉や兄が何かに優れた才能があり(読み書きが早いとか、数学が得意とか)兄や姉が常に賛辞されているケースでは、第二子の抱く感情はとても複雑なものになります。上の子が「賢いね」といった言葉をかけられて下の子が「可愛いね」などといった言葉ばかりかけられている時には、下の子は「自分は賢くないんだ」と考えてしまいます。

人格形成にも影響するということ

こうした下の子の状況がどのように人格形成に影響を及ぼすのでしょうか。

まず、「兄や姉には到底かなわない」という思いから劣等感を抱き、最初からあきらめて何かをしようという気にならず、自己肯定感が低くなってしまうことがあります。

逆に、上の上の兄や姉に勝とうと思って非常にアグレッシブで闘争心が強いこともあります。この場合、過剰な程に競争心が旺盛になってしまうこともあります。

例えば、フィギュアスケーターの浅田真央さんは、2歳上の姉の浅田舞さんも同じくフィギュアスケーターでした。何かのインタビューで浅田真央さんは、「子供の頃、姉の舞に負けたのが悔しくて、スケートの練習に一層打ち込むようになった」と言っていました。私の想像ですが、浅田真央さんは、姉の舞さんに対する闘争心が良い方向に向かってスターになったのではないかと思います。もちろん、生まれ持った才能、努力、恵まれた環境という要因もあったに違いありませんが。

親ができること

では、親として何ができるのでしょうか。

まず、第2子(あるいは末っ子)の気持ちに寄り添い、自己肯定感を低くしないように注意することです。例えば、三輪車にのる第2子が、自転車を楽に走らせる長子に対して劣等感を抱いているような場合、「お姉ちゃんだけが自転車に乗れるのを見るのは悲しいね。でも、お姉ちゃんも以前は三輪車にしか乗れなかったんだよ。」などと第2子の気持ちを受け入れたうえで、状況を説明することです。

また、第2子の良いところや強みを褒めることもとても効果的です。

さらに、時間が許す限りで、第2子とだけの時間を持って親子の絆を深めたり、第2子の遊びや活動を見守って自己肯定感を高めるのを助けることです。

こうしたことで、親として第2子がポテンシャルを開花させるのをより一層助けることができます。

末っ子の娘への関わり方:私の経験

私のケースですが、私には6歳の息子と、3歳の娘がいます。今月になって6歳の息子はインターナショナルスクールに通うことになり、朝7時過ぎにはバスに乗って学校に出発します。他方、娘が幼稚園に出発するのは8時半です。 それで、息子を送り出した後で私は3歳の娘と一緒に過ごす時間を持つことができました。

それは、娘の成長にとって思いがけない効用がありました。

例えば、娘は、息子がいる時には積み木などをのおもちゃはあまりいじらないのです。(娘としては、積み木で器用に何でも作ってしまう息子に対して劣等感を持っているのだと思います。ところが、朝に私だけという時には積み木で積極的に遊ぼうとし、私も、「大きなタワーができたね、お家ができたね」などと娘の自己肯定感が高まるような声かけをすることができます。

「息子が3歳ぐらいの時にはいつも息子とこんなことをしていたなあ」、「第二子として生まれた娘とは、息子の時ほどには一対一の時間を取れなかったなあ」という反省も込めて、 朝の娘との親密な時間を楽しんでいます。

娘を息子と同じインターナショナルスクールの付属幼稚園に入れれば、私は自分のための時間を捻出することができ私のキャリアにはプラスなのですが、今はまだ子供優先で行こうと思い、朝の娘との時間を楽しみつつ、第2子として生まれた娘のサポートをしています。