ファクトチェック!正しい情報を見つけるために

ネットでおびただしい数の雑多な情報が流れるなか、正しい情報を見つけるにはどうしたら良いでしょうか。

昨日、オンライン講座を開き、アメリカ大統領選挙や新政権が世界にどう影響するのかについてお話ししました。

次期大統領になることが確実視されているバイデン政権がアメリカ経済社会、世界、及び日本にどう影響するのか、トランプ政権の4年間がアメリカおよび世界にもたらしたものは何だったのか、トランプ政権がどのように日本に影響してきたのか、これからの経済や社会はどうなのかといった話もしました。さらに、出席された方の関心の高い中国経済や、今後中国が経済的に台頭し続けるなかで、アメリカや世界はどうなるのかという話もしました。

また、事実に基づかない「フェイクニュース」についても話題に出ました。世界的に、フェイクニュースと呼ばれる事実に基づかない情報がソーシャルメディアを中心に爆発的に広まり多くの人が信じてしまうという現象が何年も続いています。日本でも、大統領選挙に関するフェイクニュースは、残念ながらSNSやネット上でほぼノーチェックで出回っています。

ファクトチェックとフェイクニュース

そこで欧米のメディアが行ってきたのは、情報の真偽を確認する「ファクトチェック」でした。

このファクトチェックが世界的に大々的に始まったのは、2016年の大統領選挙前、トランプ共和党候補(当時)とヒラリークリントン民主党候補との最初の討論会のころでした。トランプ候補が事実ではないことを事実であるかのように主張し始めテレビの視聴者はそれを鵜呑みにしてしまい、私もショックを受けたものです。

そこで、2回目、3回目の討論会では討論会中継中にメディアが「ファクト・チェック」をし、両候補が言ったことが事実なのか、誇張が含まれているか、虚偽なのか、ということを素早くチェックするようになったのです。トランプ候補だけでなくクリントン候補の主張ももちろんファクトチェックされました。

そして、今年(2020年)の大統領選挙の前にもフェイクニュースが流布していましたし、11月3日の投票日の後にも、「選挙の不正が行われていたのではないか」ということに関する事実に基づかない情報がソーシャルメディアで拡散されました。

例えば、ウィスコンシン州でバイデン候補が勝利しましたが、ウィスコンシン州で選挙不正が大々的に行われていたのではないかという説が流れました。例えば、トランプ大統領の息子が「今年のウィスコンシン州の投票率は89%以上にも達していて、これは高すぎで、不正投票が含まれているためだ」とTwitterで発言し、事実確認されないまま拡散されました。

こちらのUSA Todayの英語記事がその件についてファクトチェックしたところよると、「ウィスコンシン州の投票率89%」というのは誤りで、今年の投票率は高かったものの72%程度で、2000年以降の投票率も大70%前後で推移してきたことを鑑みると、今年が突出して高いのではないとのことです。

https://yokoshinagawa.com/l/u/6Z6deCyncIl4zrxW

こちらのBBCの日本語サイトでも今回のアメリカ大統領選挙に関するファクトチェックを行っています。

https://yokoshinagawa.com/l/u/53qv9zg7gWcpqjmA

このように、現在では「陰謀論」や「フェイクニュース」と疑われるものが、客観的な情報や公式発表などを基にファクトチェックされるというのはとても便利です。

ただ、このようなファクトチェックがされるのはごく一部の情報であり、だいたいは私たち自身で情報の真偽を確かめなければなりません。

次の記事では、どのようにしてフェイクニュースや陰謀論を見破るかというお話しをします。