2秒数えて!怒りそうになった時にしたいこと

今日は怒らないようにするにはどうしたらいいのか、というお話をしたいと思います 

前回の記事で、身近な相手(家族、子供、部下など)に対して感情的に怒ってしまうことのメカニズムとその帰結についてお話しました。

怒るというのは、自分の期待と違う時に「こんなはずではない」、「けしからん」と私たちが考え、且つ自己コントロールが働きにくくなっている時にとってしまう行為です。怒って怒鳴った直後に相手が自分の思いをような行動を取ってくれるので、つまり即効性がある場合が多いので、私たちはついついカッとなって怒ってしまうことがあります。 

しかし、感情的に怒って怒鳴ってしまうというのは、相手の心を傷つけ、さらに後になって怒った側が「どうして怒ってしまったんだろう」自己嫌悪に駆られてしまうこともあります。 親が子供に感情的に怒ってしまった場合、「私は親失格だ」と親としての自信を失ってしまうこともあります。

そこでこの怒るということをやめるにはどうしたらいいでしょうか。

まず大切なことは、自分の望むことに注意を向けることです。

例えば、自分の子供が食卓でふざけてきちんと食べないとか、自分の部下が初歩的なミスを繰り返してしてしまったことから私たちが怒ってしまったとします。

では、私たちがこういったシチュエーションで私たちが本当に望み欲していたことは何だったのでしょうか。上の例で言うと、子供には規律正しく食べて健康的な食生活を身につけてほしいだとか、 部下にはミスを繰り返さないように自分で事前に考えて行動してほしい、といったことです。私たちは決して「怒る」ということを望んでいたのではないはずです。

しかし、私たちがとっさに怒ってしまう時には、私たちが望むことではなくて、「これはけしからん」「こんなはずではない」といった自分が望まないことについついフォーカスしてしまうのです。

したがって、怒りたくなるような衝動に駆られる時でも、欲しないことではなくて「自分が望むこと」にフォーカスすると、結局自分の目的を達成することができるよりできやすくなるはずです。

ではどのようにすれば、自分が望むことにフォーカスできるようになるのでしょうか。

それは、練習次第で向上できます。

日常の場面で自分の意に沿わない事態に遭遇した時、「これは駄目だ」「けしからん」「こんなはずではない」といった自分の望まないことにフォーカスしそうになった時に、自分の望むことにフォーカスするように気持ちの持ち方や心の動き・ベクトルを変えることです。

そうすると、怒りそうになった時でも、咄嗟に「自分の望むこと」に注意を向けることが、段々とできるようになると思います。

こんなことを書くと、「品川さん、あなたは怒ることがないからそう言うのでしょう」などと思われるかもしれませんが、私は以前は非常に怒りっぽかったです。 財務省で働いていた頃、熱血官僚だったことから、「こんなのはダメだ」とか「けしからん」と常に思って怒っていたのものです。私が財務省の別の部署に異動する時に、 元いた部署の同僚がお別れのメッセージをくれたのですが、そこに「品川さん、ちゃんとカルシウムを摂りましょうね」と書いててくれました。カルシウムをちゃんと摂るとイライラが収まるそうです(その人によると)。 

もっとも、 当時財務省にいた私が怒りぽかったのは、朝から深夜まで連日極限状態で働いていたということにも因るわけですが。 睡眠時間が6時間以下になる日が続くと(寝不足が慢性化すると)、自己コントロールが効かなくなりイライラし怒りっぽくなるそうです。 

今は私はだいぶ穏やかになり怒らないようになりましたが、それでも元々強い感情を持つタイプなので、怒りの感情をためないようにするのが課題です。

ちなみに、私が今月に主宰している「子育てグループコンサルティング」では毎回宿題を出しているのですが(もちろん、私も宿題し、参加者の皆さんにシェアします)、先週の宿題の一つは

「子供に怒りそうになった時、2秒かぞえて『自分の望むことは何か』を自問してみましょう。」

というものでした。

自分で参加者の方に宿題を出したにも関わらず、 私は一昨日に私の息子のとある行動に咄嗟に反応して「今は○○の時間じゃないよ」と強い口調で言ってしまいました。 客観的にいると「怒る」とまではいかないのですが、私の表情や口調から、ガラスのように繊細な心を持つ息子には「ママが怒ったようだ」と受け取られたかもしれません。次は、ちゃんと2秒数えて「私の望むことは何か」と自問してみようと思います。

次の記事で、怒るという行為をやめるのに必要なもう一つのこと【自己コントロール】についてお話しします。


参考記事:ケリー・マクゴニガル著「スタンフォードの自分を変える教室」