人種差別の裏にあるもの

異なる価値観を認めることで、差別も少なくなり幸せに生きられる人が増えると思いませんか?

アメリカ・ミネソタ州の白人警官による黒人男性の死亡によって、世界的に反人種差別運動が盛り上がっています。その動きは止まるところを知らず、例えば、ソーシャルメディア大手Facebookが差別やヘイト表現に対してきちんと対策を打っていないと言うことで、スターバックスやコカ・コーラなど多くのアメリカの大企業がFBへの広告を出すのを一時的に凍結すると発表しました。また、ノーベル平和賞受賞者でもある故ウッドローウィルソン米元大統領が実は黒人差別を助長していたということで、米プリンストン大学では、公共政策の名門大学院ウッドローウィルソンスクールの名前を変更すると発表しました。

私は、人種差別の裏側にあるものの1つは、人々の価値観や働き方の違いだと思っています。

アメリカでは、人口を経済力別に分けたときに、低所得層に属する人の多くが黒人です。そして、黒人の人たちは高校を中退する割合も白人に比べて高いです(アメリカでは高校までが義務教育)。高学歴エリート層から見ると、そういった人たちは働かず勉強もせず「刹那的」に生きていてあまり社会的価値を生み出していないと映り、それが差別につながる1つの原因だと思います。

日本や欧米の先進国では、働いてお金を稼ぎ生産性を高めるというのは普通の価値観で当たり前のことですが、すべての人はがそういうわけではありません。働いて地位を得てお金を稼ぐよりも、家族や伝統やコミュニティーとのつながりを大切にする価値観で生きている人も世界を見ると大勢います。

先進国の特にエリート層の人は、自分たちと異なる価値観のを持つ国の人に対して、怠け者で前近代的だとの批判的に見たり偏見を持つこともありますが、それはすなわち人種差別になります。

例えば、ヨルダンに在住する欧米人をはじめとした先進国の人でも、ヨルダン人やアラブ人に対してそういった偏見を持つ人がいます。残念ながら、ヨルダンに滞在する日本人でもそういった見方をする人がいます。

ヨルダンの人は先進国ほどには高い生産性や経済成長を実現させてはいませんが、家族を中心としたコミュニティーの中で信仰深く幸せに生きている人が多く、それは素晴らしいことだと思います。

異なる価値観を認めること。

口で言うほど易しいことではありませんが、そうすることで、差別も少なくなり、幸せに生きられる人が少しでも増えると思います。

Photo by Lina Trochez on Unsplash